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“アツい”ヒトと”巧い”ヒトは、どちらが得をするか。


2週間ほど前、学校の授業で、サッカー日本代表監督だった山本昌邦さんがいらっしゃった。とても面白い話を展開されて、その中で、人間力について話をされた。その話がすごく心に響いた。

人間力は、心・技・体そして、それをとりまくメンタルで作られる。心技体、全てが揃っていても、メンタルが弱い選手は決して一流にはならなかった。

ボクが尊敬している稲盛さんは、こう述べている。

人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力(京セラ創業者・稲盛和夫)


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“アツい”ヒト、”巧い”ヒト


世の中で、素晴らしい人生を歩んだヒトは二つの種類に分かれると思う。それは、”アツい”ヒトと、”巧い”ヒトだ。

“アツい”ヒトは文字通り、努力を怠らないヒトだ。何事にも、夢中になって物事を達成する。周りの人たちに馬鹿にされても、理解されなくても、自分を信じて、信念を貫き続ける人だ。

“巧い”ヒトも、多い。彼らは、自分が何をすべきかを知っている。世の中の情勢、流れをしっかりと読み取り、自分の時間のポートフォリオを組んで最大のリターンを追求する人たちだ。

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ここに、Aという人間と、Bという人間がいる。二人とも食べる事が大好きな人間で、お互い仲良しだ。お互い同じ地に生まれ、同じ小学校、中学校、高校に進み、同じ大学を進んだ。身長も体格も似ていて、まさに、瓜二つの存在だった。

Aは、お気楽な人間だ。料理も食事も大好きで、毎日毎日自分の気の済むまで料理を作っては友達や家族に振る舞った。人付き合いが上手で、食べ物を通して多くの人々と仲良くしている。ただ、とても頑固で、人と同じものは大嫌いだった。みなが注文するご飯はぜったいに頼まないし、みんなと食堂でご飯を食べるくらいなら、自分で弁当を作って学校に行きたいタイプだ。

一方Bは、ちょっぴりミーハーだが、計算高い、ちょっと冷徹な人間だ。料理はしないが、食べる事は好きで、常にCPの高い料理ばかりを考えて注文する。彼なりの、料理の楽しみ方だ。Bはすごく優秀で、物事をすべて計算づくで考える人間だった。周りはそんな彼の事にちょっぴり苦手意識を持っているが、人付き合いは苦手ではないので、友達も少なくはない。

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■ 人生の分岐点


2人は、大学3年生になった。自分なりにお互い、進路の事を考えて、自分の将来を真剣に悩んだ。
お互いの夢は同じだ。「自分の今まで食べたおいしい料理をいつでもどこでも食べられるようなレストランチェーン店を開きたい。」そういった夢だった。

Aは、自分はなにがしたいのか、という事を毎日問い続けた。必死に必死になって毎日考えた。ただ、彼は努力家だ。そのことになるとめっぽうストイックになる。彼は悩んだあげく、やはり大好きな、食べ物に関する仕事に就こうと考えた。彼は自分のレストランを持つ為に、まずは料理の才能を磨こうと決意した。料理人になる夢を持って、単身フランスへと修行に出かける事にした。

Bは、世の中において自分はどういった存在なのか、ということを考えた。彼は簡単に答えを導きだした。「今就職できる、一番収入の高い仕事に就こう。そして3年後にその業界で独立して、そこでためた資金を使って、将来自分のレストランを開こう。」そして彼は、投資銀行に就職した。

Aはとてもリスクの高い決断をした。単身修行に出かけて、諦めれば今まで大学に行って勉強した事も泡となって消えるかもしれない。修行に出かけたからといって、身につけて帰って来れるわけでもない。でも、彼は食べる事も、作る事も大好きだった。コレだったら、世界中で一番になれると思っている。だから、ぜったいに諦めないという粘り強い決心があった。

Bは、Aに比べると楽な人生を歩んだ。利益率の高い業界なので、毎日Aよりも数倍高い給料が振り込まれ、”エリートサラリーマン”として仕事を進めた。仕事はできるタイプだったので、多くをそつなくこなし、社内でもそこそこ評価は高かった。

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■ 3年後


彼らは成長した。二人とも、優秀なことに変わりなかったので、それぞれの道で自分のできる限り頑張った。

Aは日本に帰ってきた。フランスでのがんばりが生かされて、日本で投資家に出会った。投資家に出資してもらい、銀行から資金を一部借りて、フランスの郷土料理をメインに日本人の好みの味に仕上げた、文字通り自分のお店を開くことができたのだ。

Bは、会社を辞めた。そこそこ会社では業績を上げており、優秀な仲間と一緒にコンサルティングファームを立ち上げることになったのである。会社でやっていた頃の顧客を引き連れて、会社も徐々に売り上げをあげるようになってきたのである。しかし、Bにとって今の仕事はあまり面白いものではなかった。しかし、この頃はAの10倍の給料をもらうようになっていたので、割り切って、仕事をしていた。

好きなコトは、”趣味”にとどめておけば良い。

Bはそれでよかったのだ。

■ 10年後


Aは、海外に初めてのお店を出した。日本では、5店舗、海外では1店舗、合計6店舗のお店を経営するようになった。この時も、Aは、必ずどこかの店では料理人として、自分の満足いく料理を提供し続けていた。彼はそれが純粋にたのしかった。毎日毎日寝る間も惜しんでメニューを考え、仕事に熱中した。好きなコトをずっと仕事にし続けていたのである。

でも、Aは満足していなかった。それには、2つの理由があった。1つ目は、まだまだ世界の2カ国でしか自分のお店が出せていなかった。「世界中でおいしいものを食べれるようにする」という夢には到底ほど遠かった。

2つ目の理由はもっと彼にとって不満なことであった。それはBの存在があったからである。

Bは、5年前、立ち上げたコンサルティングファームを売却した。丁度その頃、日本はファーストフードブームが巻き起こっていた。世界の様々なファーストフードがフランチャイズ化されて日本に進出しており、Bはその波に乗った。そこで得た収益で、南米旅行の時に出会った、新感覚のファーストフード店をフランチャイズ化していた。この頃には、世界に500店舗構える会社を広げていたのである。決して料理人でもない彼は、”投資家”として、そして、彼らしく、うまく波に乗って飲食業界で大成功していたのである。

そして、その年、BはAに10年ぶりに再会したのである。

B「久しぶりだな」
A「久しぶり、調子いいみたいだな。」
B「まあまあな。ところで、今日は話があってきたんだよ。」
A「どうしたんだい?」
B「Aの会社、うちに売ってくれないか。最近海外進出したらしいが、高級レストランは、不景気の影響であまりうまく行ってないらしいじゃないか。しかし、オレならこの低空飛行をなんとかできる。だから、3億で買収するよ。」
A「いきなりなんだ…….ちょっと考えさせてくれ….」

結局、Aは、自分が作り上げたレストランチェーンを手放す事にした。Bは、その後も買い取った会社をひろげ、今度はそのレストランを5年間でチェーン展開し、20カ国100店舗にひろげていった。

Aは、飲食業界に関わって10年だった。さらにいえば、ずっと小学校のころも、中学校のころも、高校のころも、大学生のときも、料理が大好きで尽くしていた。まさにAは、”アツい人間”だったのである。彼は、誰よりも食べる事を愛し、そのことだけを考え、誰にも負けないという自負があったのにもかかわらず、こういったことになってしまった。

Bは、飲食業界に関わって、5年間。投資銀行に勤めたノウハウを生かして、一気に飲食業界の風雲児として名を馳せた。彼の当初の夢である「世界中に自分のおいしいと思う食べ物を広げていく」という夢をかなえたのである。

Aは、得た資金を元手にして、ヨーロッパの田舎に自分の店を構えて、ゆったりと人生を過ごした。仕事のことはあまり考えたくはなかった。ただ、ささやかに自分の好きな料理を作る、地元の人に愛される店を、毎日夜だけ開いた。自分もワインを飲みながら、しっぽりと、楽しんだ。

■ 30年後


Bが成功して、めでたし、めでたしではない。30年後、彼らはどうなったのだろうか。

Bの人生は、あれからうまくいくものではなかった。Aのレストランを広げていった後、ブームの終焉に乗じて、味の質が一気に落ちた事で評判が悪くなった事と、不景気、そして食中毒を出した事で、一気に会社が傾いてしまった。彼は失意により、会社を縮小、このときには、会社は倒産してしまっていた。しかしお金は在る程度のこっていたので、Aに謝罪をすることも込めて、20年ぶりの再会をすることにし、移住することをかんがえながら、フランスに出かけたのである。

フランスの住所をたどって出かけるも、そこには、家はなかった。

Bは、Aに電話をかけた。

B「もしもし、Aか?今こっちに来てるんだが。」
A「おお、久しぶりだな!!調子はどうだ?うまくいってるか??」
B「それがな…….」
A「まあいいや、こっちに来なよ。久しぶりにメシでも食おう。○○××にきてくれ!」

Bは指定された住所に向かう事にした。やけにAが都会に引っ越している事に違和感を覚えながらも車窓から景色を除きながら、○○××へと向かった。

そこには、50階建ての高層ビルがあった。

B「うわあ、なんだここは。まあ行くか。」

そこは、オフィスのロビーだった。

A「おお、久しぶりだな!!」
B「久しぶり、ここはなんなんだ??」
A「あ、お前には言ってなかったか。オレはいまここの社長をやってるんだよ。」
B「いやお前、ここって誰もが知ってる超大企業じゃないか。10年間でゼロから、数千億の売り上げを出すようになったとか。」

文字通り、Aは復活していたのである。
彼は数年隠居生活をした後、アイスクリーム屋をヨーロッパの都市部で初めて大成功。大ブームの立役者となり、その後、様々な会社を買収して巨大食品会社を作り上げていたのである。
A「どうしても諦めきれなくてな。」
B「…….」

Bは絶句した。Bは会社をつぶしてしまった事を報告。Aは怒る事無くこう言った。
A「お前、うちの会社で働かないか?仕事もせずにゆっくりしていたって楽しくないだろう。」
B「まあな…」

Bは、役員の一人として、Aの会社に入社することになった。


自分の能力を客観的に分析して、ブームに乗じるなど、効率のいい進め方をしたBは足下をすくわれてしまったが、結果的にAといっしょに働いている。しかしながら彼はその後Aと仲良く、名物コンビとして、20年間会社を成長させていったのである。

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世の中には、”アツい”ヒトと”巧い”ヒト、2種類の人間がいる。
彼らは、自分の性格を簡単に変えることはできない。”アツい”人間(つまり、A)は、巧みに戦略を立てる事はやっぱり苦手で、努力して、多くの人に情熱を与えて働き続ける。逆に、”巧い”人間(つまり、B)は、戦略を立てて効率的に物事を運ぶのはうまいが、どうしても物事に集中できないし、打たれ弱い。一度失敗すると他の事に向かったり、なにもしなくなることが多いような気がする。

今回は、Bの方が上手だったように思えたが結果として、Aの方が一枚上手だった。しかし、逆のシチュエーションだって多いに有り得る。

世の中、どちらが成功しやすくて、どちらが失敗しやすいってのはないだろう。皆、自分の性格を理解して、自分なりに頑張るしか無いのである。

しかし、Bのようなブームに乗っかり続ける人間に決して、ブームは作り出せない。芯を持ってブレないAのような人間はいつか、うまくいけばブームを作り出して大成功をおさめることができるだろう。

しかし、今回のAのように皆が全て成功するとは限らない。寧ろそういった人間はごくわずかだ。そういった場合は、客観的にみると、Bの方が幸せな道を歩むような気もする。

自分はいつも、どちらなんだろうと、葛藤を覚える時があるが、ブレず、頑張っていきたいと思う。Aのようになりたいという想いもあれば、Bのように”巧く”人生やりくりしている人が幸せなんじゃないのかな、と思う時も在る。

しかし、諦めた瞬間そこでおわりだ。突っ張らず、自分のスタイルを作っていきたい。


Published in 考察録

18 Comments

  1. “アツい”ヒトと”巧い”ヒトは、どちらが得をするか。: 2週間ほど前、学校の授業で、サッカー日本代表監督だった山本昌邦さんがいらっしゃった。とても面白い話を展開されて、その中で、人間力について話をされた。その話がすごく心に響… http://t.co/ziw3qgan

  2. ブログ書いたばい。こっぺのぶろぐ: "アツい"ヒトと"巧い"ヒトは、どちらが得をするか。 http://t.co/wF8yNJpo

  3. こっぺのブログ心を鷲づかみされたRT@koppe0205 ブログ書いたばい。こっぺのぶろぐ: "アツい"ヒトと"巧い"ヒトは、どちらが得をするか。 http://t.co/ImcXkpPY

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  7. 面白い人間洞察!どっちの要素も持っている人間になりたい。 RT @koppe0205: ブログ書いたばい。こっぺのぶろぐ: "アツい"ヒトと"巧い"ヒトは、どちらが得をするか。 http://t.co/oNyO5qB4

  8. 面白い人間洞察!どっちの要素も持っている人間になりたい。 RT @koppe0205: ブログ書いたばい。こっぺのぶろぐ: "アツい"ヒトと"巧い"ヒトは、どちらが得をするか。 http://t.co/oNyO5qB4

  9. @koppe0205 さんのブログ。すごい面白い–"アツい"ヒトと"巧い"ヒトは、どちらが得をするか。 http://t.co/VWQ1Xds8

  10. RT にこきらちゃん: "アツい"ヒトと"巧い"ヒトは、どちらが得をするか。 http://t.co/iSgmixF2 via @koppe0205 考えさせられる話!自分きっと巧くなろうとしてたのかも。。

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