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デング熱の恐怖5 デング出血熱との闘い


入院2日目。デング熱を発症してから6日目。

 

昨日は全てに感謝したい1日だった。親はもちろん、領事館員の方、通訳の方、看護婦さん。

 

入院2日目。これからデング出血熱との闘いが始まるのだった。

 

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辛い食生活と検査

 

「こんにちは。」ドアが開いた。

 

 

「今日からあなたの通訳を務めさせていただきます。△△です。タミル語と英語、日本語。全て使えるから安心してね。」

 

この日から、通訳が毎日朝から晩まで看病してくれる事になった。

 

 

入院拒否のときの話でもあったけれど、インドでは、付き添いがいなければ基本的に入院ができない。こうやって通訳を付ける事を条件に入院が認められた。

 

 

「あなた、あまり良くないから安静にしててね。」

 

昨日の血液検査の詳細を通訳の方が読み、医師と話をしたという。正式名は「デング出血熱」。デング熱患者の100人に1人の確率で感染する病気だ。

 

 

症状は、血小板量の低下による出血傾向が見られるという事だ。つまり、体に刺激を与えれば血管が切れやすい状況になるということだ。

 

 

 

 

そういえば昨日から、体が猛烈に痒い。指が日焼けしたように真っ赤に腫れ、蜂にさされたようにパンパンに膨らんできている。

 

これは毛細血管が切れている症状なのだと言う。

 

 

 

(コンコン)

 

 

 

看護婦がやってきた。今日も血液検査だ。

血液検査は毎朝5時半と、昼すぎの2時頃。眠気の中、血を抜かれる。

5本ほど血液を抜いていく。しかし、腕や手が腫れ上がり、針がなかなか刺さらない。

 

刺し直される痛みなんて全然辛いものではなかった。それよりも、昨日からの首から腰までの骨の痛み、特に痛かったのは、肘が圧迫される痛みが酷い。

 

 

強い痛み止めを処方された。痛み止めを服用すると辛さが少し和らいだ。

 

視界がだんだん狭くなってきているのが分かった。眼鏡をかけると、フレームが頭の骨に当たり、ガンガンと痛む。裸眼で過ごすしか無い。裸眼ではテレビすら見えない。

 

 

 

(コンコン)

 

 

 

 

世界で一番まずい朝食

 

食事が運ばれてきた。

 

昨日一日は点滴で過ごしたが、今日は食事を取ってくれという。これが悲惨だった。

 

 

咀嚼すると歯茎が切れてしまうため、流動食はおろか飲み物状の食事しか提供してもらえない。

 

 

「バターミルクよ。栄養取らないとね。」

 

一口含む。

 

 

 

「おえええええええええええええっ」

 

 

嗚咽が鳴った。

 

 

信じられないくらいまずいのだ。

 

 

中身はなんだか腐ったヨーグルトにバターが混ざったような味だ。それにしかも塩がまざっている。しょっぱい脂っこいヨーグルトだ.

 

 

「ごめんなさい、飲めない。」

 

 

「飲まないと元気にならないわよ。」僕の口元に無理矢理もってくる。

 

もう一口のんだ。吐いた。

 

 

 

「本当に無理なんです。自分で飲むから。」必死に伝える。

 

一生懸命作ってくれた看護婦さんや、飲ませてくれようとする看護婦さんに申し訳ない。泣きながら飲む。

 

 

「よく頑張ったわね。」

 

 

これには痛み止めが全く効かなかった。。恐ろしいほど繊細な味覚だ。

 

 

 

恥ずかしいなんて言ってられない診察内容

 

午前終わりの医師の回診。

 

 

「Koheiくん、大丈夫かい。」

 

 

「なんとか、OKです。生きてます。薬が効いて少しは楽です。」

 

「しっかりと経過観察をしていくからね。出血はないか?口内と目をみせてくれ。」

 

口の中を観察される。口内と白目の部分が出血しやすいらしい。幸いにも出血はない。

 

「じゃあ、看護婦さん、次の診察やるから手伝って。」

 

 

 

 

 

体が掴まれ、衣服をなぜか脱がされる。

 

 

下半身裸、仰向けの状態で、股間をまさぐりはじめた。

 

 

「え、、え、、っちょっとっっとまってください!」

 

「大丈夫、すぐ終わるからね。」

 

「いやいやいや!」

 

「ちょっとの辛抱だから。」

 

 

男性の急所の部分も毛細血管が沢山通っているため、出血が見られやすいらしい。赤くはれているものの、出血は見られなかった。

 

 

「オーケー。また来るからね。」

 

 

 

 

薬は1日2回飲む事ができる。早朝と、夕方だ。

 

 

昼になって首が痛み始めた。背中も。いやいや、腰も肘も膝も痛む。

 

 

「うぐうううううううううがああああああああ」

 

 

激しくもだえる。関節を家具にぶつけてしまった時のような痛みがひたすら続くのだ。

 

 

「うううううううーううううう」

 

 

通訳さんがフォローしてくれる。

 

「大丈夫かい?痛い?」

 

 

ナースコールを押してくれた。

 

 

すかさず看護婦さんが来てくれた。

 

 

「どうしました?」

「関節が痛むんです。。。。。。。。ぐううううう。痛み止め飲めませんか?」

 

 

「ごめんなさい、痛み止めは1日2回までしか飲めないの。もうすこしの辛抱。頑張って。」

 

看護婦さんが体をなでてくれる。10分ほどしたらおさまってくれた。

 

「助かりました。」

 

「いいえ、私たちの仕事だからね。」

 

 

 

 

世界一まずい昼食

 

今度は昼食がやってきた。実は昼食の前にも”11時食”があったのだけど、、笑

 

昼食は、なんと、、、キャロットミルク。

 

 

牛乳とにんじんをミキサーでかけて、塩を入れた物だ。

 

 

「おえええええええぇぇぇぇぇぇえええ」

 

なんと、こんな食事が1日9回も続くのである。

 

 

内容は、

バターミルク(最悪)

絞り立てライムジュース(1日に1回の楽しみ!これが最高に美味しい)

キャロットミルク

ホウレンソウミルク

バターミルク

オレンジジュース

バターミルク

ミルクティー

ミルク

 

これが何日も続いた。。。

 

 

 

 

突然の腕痛と出血熱との闘い

 

突然、腕が痛み始めた。

 

 

「うううぐうううういたいいいいいいいたいいいい」

 

泣いた。本当に泣いた。

痛すぎて泣いた。

 

「どうしたんだ!!!」通訳さん

 

ナースコールを押す。

 

「腕が、腕が。。。。」

 

 

痛む。痛む。何時間も縛られた後のような圧迫感。

 

腕を見ると、うっすらと赤黒くなっていた。

 

看護婦さんが来た。

「これはいけない!」

 

至急医師を呼んでくれた。

 

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(翌々日の腕の様子。医師かなんかが撮った奴。右腕は真っ黒。左腕は赤黒く変色している。)

 

 

 

とうとう出血症状が現れてきたのである。全裸にされてチェックが始まった。

 

 

気付けば、腕や足は倍以上にふくれあがり、真っ赤に。右腕は紫色になりはじめ、内出血が進行していたのである。

 

 

「ちょっとお腹がいたいです。。。」

 

 

トイレに立ったときに口を濯いだ。すると歯が真っ赤になっている。歯茎から血が流れているのだ。

 

 

 

「輸血だ。」

 

急遽輸血が始まった。

 

 

親などに連絡をする時間もなく、どんどんと血小板が注入されていった。

 

 

 

夕方になり、血液検査の結果が届く。

 

「血小板が20000を下回ってる。(正常値は150000-450000 白血病患者が10000-20000程度)内臓出血や脳出血の恐れがある。」

 

 

僕には伝えられなかったが、通訳にはそう伝えられたらしい。

 

 

僕はベッドから出る事を禁じられた。といっても出る体力もないのだけど、、、

 

 

この日から、最強の痛みをこらえる数十時間が続くのだ。

 

 

 


Published in インド(2012.5) チェンナイ(2012.5) デング熱闘病記

One Comment

  1. くろへい。 くろへい。

    私は今タイでデング熱で入院中です。
    3日間40度の高熱で唸っており、あまり意識がありませんでした。
    ようやく、38.5度ちかくまで下り少し余裕が出てきました。
    そこで、スマホを使いデング熱関連のこちらのサイトをみつけました。表現が、リアルで凄まじい病症が想像できます。私は昨年の8月にもデング熱に罹っており、今回の症状は深刻との事。
    夜になると再度高熱になり数日過ぎると出血性になる可能性が、高いと言われました。
    既に肝機能障害も併発しており、相当憂鬱です。
    でも、管理人さんのようにインドでなくて良かったかもしれません。このブログを励みに乗り越えていきたいと思います

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